世界保健機関(WHO)上級顧問の渋谷健司さんという方が、先日テレビで「実際の感染者数は10倍以上いる」と発言され、強く非難を受けています。
「WHO」という名前を使っている人が、これまでも炎上する発言を繰り返しされているのが不思議だったのですが、
実際に現在WHOで働いているわけではないようです。渋谷健司さんの「WHO上級顧問」とは何なのでしょうか。
「WHO事務局長テドロス・アダノム」のアドバイザー
渋谷健司さんは、テレビでは「WHO上級顧問」と紹介されていますが、
Wikipedia によると WHO事務局長(テドロス・アドノム)上級顧問 だそうです。
上級顧問とは、英語で Senior advisor と言い、上級のアドバイザー、ということになります。
つまり、現在WHOで働いているわけではなくて、
WHO事務局長のテドロス・アドノムさんのアドバイザー ということです。
WHOのアドバイザーでもなく、「事務局長」のアドバイザーのようです。
WHO事務局長 テドロス・アドノム といえば、
- 新型コロナウイルスが流行しているにもかかわらず、中国に配慮して緊急事態宣言を見送った
- コロナに対する中国の初期対応は素晴らしかった と称賛
- 米国が中国への渡航中止を発表した際、「そのような措置は必要ない」と中国を擁護
- 元々はエチオピアの保健相であり、中国の推薦もあり、事務局長に就任
- エチオピアは中国からの投資が全体の6割を占めていることもあり、言動が中国寄りだと批判されている
- 50万人超が辞任を求めて署名
- トランプ大統領はWHOへの資金を停止すると発言
- 世界中でコロナが蔓延している中、Twitterにて Happy Easter! と発言し炎上
などと数々の問題が挙がっている人物です。
渋谷健司さんは、そのテドロス・アドノムさんのアドバイザーのようです。
しかしながら、WHOの正式ホームページを見ても、渋谷健司さんがアドバイザーだとは見当たらないようです…
ということは、WHOは関係なく、テドロス・アドノムさんのアドバイザーですよ、ということかもしれません。
渋谷健司さんはなぜ非難されている?
そもそも、日本政府が2月に全国で休校を要請した際、渋谷さんは
現時点で新型コロナウイルスは子どもでの感染が少ない。
小児で流行するインフルエンザでも学校閉鎖の効果のエビデンスはほとんどないため、今回の方針が有効だとは思えない。
と休校に疑問を呈し、世界で休校している国は他にないと、政策に反対していました。
ですが、その後は「日本の緊急事態宣言は一週間遅かった」と発言されています。
それに対して「遅かったのはWHOじゃないか」などと批判されています。
報道ステーション
WHO事務局長 上級顧問が番組内で日本政府の緊急事態宣言が遅すぎると批判しているけど、お前らWHOのパンデミック宣言(世界的大流行)のほうがめちゃくちゃ遅すぎて取り返しつかなくなったじゃねえか pic.twitter.com/5LrmhP3HJB— よっちゃん平八郎2🇯🇵 (@DayonYosshi) April 17, 2020
「感染者は10倍以上はいる」発言
そして今回、テレビで語ったのが、
日本 アメリカ イタリア イギリス の感染者数、死亡者数を並べ、
日本がその3国と比べ、感染者数と死亡者数が少なすぎる
「おそらく(実際の感染者数は)10倍以上はいる」と発言されました。
が、それに対しても
例えWHOのアドバイザーであっても、
「日本はCOVID-19による肺炎死亡の数を把握できていない」というのは、日本の医療現場を理解できていないので無視でよいと思います。全ての病院が完璧に対応しているとは思いませんが、入院診療をしている病院のほとんどは検査を依頼しているようです。
— 手を洗う救急医Taka (@mph_for_doctors) April 19, 2020
#NEWS23#渋谷健司
>検査を絞ったから、10倍以上いる。亡くなった方も反映されていない。単純に10倍したらイギリスに近いんだが、感染者は、まぁ理解できるけど、死者は、1万も未反映って事になるんだが…
そこを説明しないこの学者は怪し過ぎるなぁ🤔 pic.twitter.com/TX0hNljftU
— FrancoisNoelBabeuf (@francoisnoelbu) April 16, 2020
と反対の声が多く聞かれます。
イタリアでは、4月9日までに医師が100人以上亡くなっています。
アメリカでは、コロナにより亡くなられた人々のご遺体が、遺体安置所が足りないために放置され、
臨時で設けられた集団埋葬地にはご遺体が溢れかえっていたり… と悲惨で辛い状況が伝えられています。
もしも、日本で感染者数が10倍以上はいるとしたら、それに比例して、亡くなっている方も多くなり…
医療者が次々に亡くなったり、お葬式が間に合わないくらい行われていたり…
というのが、日本で起こっているでしょうか?
さすがにそこまで広がっていたら、隠したり出来るようなレベルではないような気がします。
医療崩壊もとっくの昔に起こっているのではと思います。
渋谷健司さんは、現在イギリスに滞在していらっしゃるので、日本で医療現場を見ているわけでもないようです。
まとめ
渋谷健司さんは、WHO上級顧問という肩書きで、マスコミに出演していらっしゃるので、
WHOの組織で現在活躍されているのかと思っていましたが、
(WHO事務局長の)テドロス・アドノムさんのアドバイザー のようです。
新型コロナウイルスについては、今までさまざまな情報が拡散され、人々の不安を煽ってきたりしているので、
根拠をもった正しい情報が、正確に伝えられてほしいですね。